一般生活者にとっては、鍵というのは玄関や物置などを勝手に開けられないようにするための、キーホールとセットになっているタイプのものを思い浮かべる事が多いです。
一方、ビジネスマンにとってはドアなどに使われるもののほかに、金庫の施錠に使われるものという認識もあります。
歴史的に商業が盛んであった大阪においては、商家が立ち並んでいたという状況だったため、鍵業者については独特の業態を見出す事ができます。
それは、単に設備として鍵を販売するだけでなく、効果的に防犯を行なうためのノウハウをレクチャーするという業態です。
商業都市大阪として、商家が立ち並びつつも日常的な生活が営まれていたわけですから、防犯はかなり重要になってきます。
現在の大阪においては、鍵そのものを販売するという事よりもむしろ、防犯サービスのレクチャーに重きが置かれつつあるという業者の状況がみてとれます。
この状況変化についていえることは、大阪という大都市の変容が大きく関わってきます。
この関西随一の大都市は、日本中から人口が流入してきて、単に商業主体である企業だけが定住しているという状況ではなくなっているからです。
一般の人が労働者として大量に定住するようになると、防犯のやり方に関する需要はますます増えます。
防犯の第一歩として重要なのが戸締りであるため、戸締りを行なうための設備である鍵を扱う業者は、同時に防犯ノウハウを教えていく事で、町の人から頼られつつ安定的なビジネスを行う事ができるのです。
それがいつしか、大阪においては業者独特の業態として定着しているわけでして、一般人への防犯意識啓発を、ビジネスを展開しつつも盛んに行う事が可能になっているといわれます。
これからは、商業施設も増えていくし住宅も増えていきますから、ますます防犯レクチャーの需要は伸びていく事が予想されます。
そうなった時でも独特の業態をもつ業者が既に定着している都市ですから、うまく対応して高い防犯意識が全体的に保たれると予測できるのです。